日帰りはもったいない!地方の魅力〜田辺編〜
Writer: トラベルデザイナー 松下 裕美
その土地の魅力感じるならやっぱりローカル旅
みなさん年に何回は行っている旅行。家族旅行から学生旅行、友達同士の旅、一人旅など旅慣れていくうちに有名な観光名所を見て回るだけではなく、ガイドブックには載っていない地元の人しか知らないような穴番スポットや地元の人が食べるローカルフードなど旅先での楽しみ方が「見る旅」から「触れる旅」に変わってきているなと実感しています。
またSNSの普及により、今までガイドブックやテレビで紹介されていなかったような、いわゆる地方と呼ばれるところの情報も簡単に得ることができ、旅先の選択肢が広がってきています。一方で地方の自治体やお店を営んでいる人も簡単にSNSで発信できることにより、ますます地方の旅=ローカル旅が注目されています。
もちろん私も観光客用のお店より地元の人が通う食堂や直売所が大好きで地元の方とも触れ合うことができるので、旅行先で選ぶのは断然地方が多いです。
▷泊まらないと分からないローカルの魅力
SNSの投稿を見ていると、やはり旅先で行ったローカルのお店の投稿が多いので自分の旅の参考になるのですが、夕食やお宿の情報が少ないなと思うのです。つまり日帰りか泊まる場所は例えば白浜や加賀温泉などの観光地で、そこに着くまでかお宿をチェックアウトした後、お昼ご飯を食べたり、おみやげを買うために立ち寄る方が多いのかなと。。。
せっかく行ったのにお昼ご飯だけではその土地の本当の魅力は知れないのにもったいない!とついつい思ってしまいます。
ですので、おそらくガイドブックに載っていないようなぜひ泊まってほしいローカル旅を何回かにわたってご紹介したいと思います。
▷和歌山県田辺エリアのおいしいローカル旅
<ランチは地元のお母さん方がつくるスローフードバイキング>
日本海を眺めながら「特急くろしお」に乗って降りたのは和歌山県の紀伊田辺駅」。
お腹が空いたので、まず向かったのは秋津野ガルテンさん。
◆秋津野ガルテン
廃校になった上秋津小学校の校舎を利用した、地域を繋ぐグリーンツーリズム施設で、自然豊かな敷地内には、地元のお母さん方がつくるスローフードバイキング料理の農家レストランや、体験工房、宿泊施設などがあります。
木造建築の校舎を歩いているとなんだか時が止まったようで懐かしい気持ちになります。
そう、田辺はみかんの産地でもあるので、こんな展示も
そして昼食処へ
◆農家レストラン みかん畑
ランチバイキングはなんと950円。地元のお野菜や果物を使った手作りのお惣菜たちが並びます。やっぱりその土地の食材を食べれるのが嬉しい。
ここに来たら忘れてはいけないのがみかんのジュース!果肉たっぷりでおいしすぎる…。和歌山の中でも、この田辺近辺は特においしいみかんを作ると有名だそうです。
心にもからだにも優しいお昼ごはんで大満足。
<地元のお野菜が買える直売所とパン屋さん>
ランチを食べた後は旅先で必ず買う卵を求めて、おいしい卵が売っていると聞いた近くの直売所さんへ。
◆秋津野農産物直売所 きてら
中に入ると何十種類ものみかんに圧倒されました。
田辺周辺だけで90種類ぐらい作っているのだそうです。知らない品種がたくさん。
それぞれ試食で食べ比べしながら買えるのが嬉しいポイント♪
甘みの強さや香りの立ち方、本当にそれぞれ個性的です。
不知火(しらぬい)という、キリッとした酸味が際立っておいしくて!こちらをひとつ♡
他にも生き生きとした地場野菜を色々と買えました♩
普段通っているスーパーではお見えしないお野菜や果物、調味料が売っているので
直売所は必ず立ち寄ります(笑)
続いて訪れたのはパン屋さん。パンも大好きで旅先でパン屋さん巡りするのも楽しみの一つです。
◆焼きたてぱん D’oh!
この坪数では信じられないぐらいのたくさんの種類のパンが並んでいました。
どれもおいしそう!
必ず旅先のパン屋さんで買うのが地元の食材を使ったパン。
こちらのお店は地域農家さんなどとのコラボレーションにも積極的で、
温州みかんのパンを買いました。こういったコラボパンがあるのも地方の魅力です。
もう1件訪れたのは1軒家のベーカリーレストラン。
◆Bakery&Restaurant KOKAGE
パンももちろん買うことができますが、お食事もできます。
ディナーは1日1組限定で2名からも受け付けてくださるという特別感。
元々お父さまがされていたパン屋さんを、大阪の有名フレンチで修行をされた息子の拓郎さんが継がれ、今はこの形になったそう。
パンは今もお父さまが現役で焼かれ、ジャムやお菓子は奥さまが。
ジャムはお土産にもぴったりです。
大切な時に、私も家族を連れてきたい。そんな気持ちにさせていただける素敵なレストランさんでした。
駅前にあるゲストハウスさんにチェックイン。
◆ゲストハウス熊野
https://www.kumano-travel.com/ja/accommodations/guest-house-kumano
そして、夕暮れの町をお散歩に出掛けてみると。
港町な趣もあり、なんだかレトロで良い雰囲気。
<夕食は地元の方が通う居酒屋さん>
お腹も空いたころで、お楽しみの夕食、和歌山随一の飲食店街、夜の「味光路」へ。
お宿でいただくのも好きですが、今回は地元の居酒屋さんで食べたくて。
田辺駅前の狭い範囲に、200を超える飲食店さんが軒を連ねるというから…すごい。。
しかも、すぐ近くの漁港で15:00から行われる競りで仕入れたお魚が夜にはもう振舞われているなのだとか。さすがは漁港の町!新鮮さにびっくり。
◆徳乃
http://www.nanki-mirai.jp/utsubo/restaurant16.html
座敷に立て掛けられた本日のお品書き。種類の多さにどれにしようか迷ってしまう!
頼んでいただいていたお刺身盛合せは、鰹、赤貝、ヨコワ、太刀魚、イサキ、アマイカなど近海の旬の詰めあわせ。
このあたりの名物という、生うつぼ唐揚げ 1,000円
初めて食べたけど、コラーゲンたっぷりでおいしいーーー!ポン酢とばっちりあうっっ。
つぶ貝にんにくバター 650円
バターの香りが、ほわわわわわーって。
穴子天ぷら ねぎ醤油 780円
これ!どはまり!また今すぐ食べたい…
鯨のたれ焼 880円
ミンククジラを生姜醤油で焼いてあり、味のある牛肉のようでおいしい。
そして最後に、ヒロメのしゃぶしゃぶ鍋 750円
別名ヒトハメワカメ。この時期、このあたりから三重の海限定で、水温が下がらないと採れないという貴重なもの。
どれもここに来ないと食べれないものばかり。しかもお安い!(値段は訪れた時の金額です。)
大満足な夕食でした。
<朝はレトロな喫茶でモーニング>
翌朝は喫茶店での朝食からスタートです。
◆喫茶バーグ
実は、気になるレトロな喫茶店が山ほどにある田辺。
コーヒーとトーストで400円のモーニングを。
地元の方が通う喫茶店でモーニングするとなんだかここに住んでいるみたい。
そして田辺は食材やスイーツ巡りも楽しいのです。
<2日目は地元の食材&スイーツ巡り>
何年か前に見た、田辺を散策する旅番組の中で印象的に紹介され覚えていたこちらの干物屋さんへ。
◆干博食品
店内のケースには、様々な削り節が並びとても良い香りが漂う。
鰹節に鯖節…ほぼ全てお味見もさせていただいたのですが、一番気になったこの"目近"という聞いたこともない節が味わい深く。
この和歌山近海で獲れる、鯖の小さいのみたいな魚だよって。
こんな風にお店の方が教えてくれるのも嬉しい。
続いて、田辺銀座をふらり旅。
行ってみたかった最中屋さんへ。
◆三徳小西菓子舗
http://www.kisyu-tanabe.jp/store/034.html
なんと120年ほど続くという老舗のお菓子屋さん。
この上の引き出しに、作りたて最中がぎっしりと並んでいます。
お菓子は、つぶあんの入った三徳もなかと、柚もなかの2つのみという潔さ。
柚もなか ひとつ52円をいただくと。
甘い柚餡が爽やかに香って、今日の良いお天気とばっちり。おいしい!
次に通りかかったかまぼこ屋さんを覗くと。
そうそう、こっちでは大切な日に食べる蒲鉾のこと「なんば焼」って呼ぶのよね!
◆米儀かまぼこ店
30年も続くこのかまぼこの専門店さん。ごぼうがぎゅぎゅっと詰まった絶妙なビジュアルの「ごぼう巻」も気になるところなのですが…
カウンターに書いてた、天ぷら 80円 をひとつ。と。
奥から出てきた揚げたて熱々の天ぷら。
はんぺんみたいにふわっふわ!
お腹が膨れたところで、海を目指してお散歩。ゆるりとした空気が心地よい漁師町です。
扇ヶ浜に到着!お天気だったこの日は、対岸の白浜までくっきりと見えました。
そしてもう1軒寄りたいお店が
◆七福堂
銘菓「田辺っ子」が有名なお菓子屋さんですが、私のお目当は、毎週火・木・土限定販売のドーナツ♡♡
なのに・・・まだ朝の10時半というのに・・・まさかの売り切れ><
あんドーナツだったら最後4個残ってるよ、とそちらをいただくことに。
中にはやわらかな甘さの白あんが入ってて、もうね、誰もが好きな味!次はもう少し早くね、また買いにこよう。
そうこうしているうちにお昼時。
向かったのはゲストハウスをしているthe CUEさん。
<旅最後の食事は田辺がギュッと詰まったハンバーガー>
◆the CUE
※月曜定休、ランチは11:30~です。
こちらは2017年にクラウドファンディングで立ち上がったばかりのゲストハウスで、ダイニング棟ではお昼はランチ、夜はバーとして利用できます。
ここの鹿肉を使った"ジビエバーガー"が絶品だと、ずーーーっと聞いていて。念願の!!!
早速やってきました…焼きたてバンズからチーズがとろんととけたビジュアルがたまらない!
バンズは昨日行ったD'oh!さんのもの。田辺の食材がギュッと詰まったバーガーです。
鹿肉も粗挽きでとっっってもジューシー。猟師さん直売だからか臭みなんて無縁。
梅サイダーとオリジナルレシピの自家製コーラも爽やかで、バーガーにぴったり。
最後の最後までお腹いっぱいの旅行でした。
商店街など地元のお店が集まっているところに行かないと出会えないお店ばかり。
でもまだまだ他にも行きたかったお店もたくさん。だからこそ寄り道の場所としてはもったいない!
ぜひ泊まって魅力を味わってほしいなと思います。
田辺エリアに泊まるなら!おすすめのおいしいお宿さん
梅農家さんで秘伝の魚の煮付けを
土地の食材と人を掛ける 大きなお家の一棟宿
自家製梅で梅干し体験もできるお宿
次回もローカルな旅のご紹介をします。お楽しみに