テーマ旅のススメ 焼き物を巡るin 丹波篠山編
Writer: トラベルデザイナー 松下 裕美
旅の楽しみ方が変わる「テーマ旅」。
初めて行く国、場所だと有名な美術館で絵画を見たり、世界遺産の建物に登ったり、ミシュランのレストランでお食事したりと、ガイドブックに載っているメジャーなところを選びますよね。
でも、2回目、3回目となると地元の方が通う食堂でごはんを食べたり、マルシェで新鮮なお野菜やパン、ワインを買ってキッチン付きのホテルで料理してみたりと旅先での楽しみ方も変化していく方が多いと思います。
そんな旅の楽しみ方をされる方に多いのが「テーマ旅」。
海外だと
ワイナリーを巡る旅
聖地巡礼の旅
ロマンチックなお城を巡って泊まる旅
フランスの地方菓子を食べて作る旅
海外のディズニーランドで遊ぶ旅
バスク地方で巡りの旅
古代ローマの遺跡を巡る旅
台湾で小籠包食べ比べ旅
各国のスタバのマグを集める旅・・・
みなさん本当にそれぞれのテーマがあると思います。
日本でももちろん列車の旅、アニメの聖地旅、九州の温泉を巡る旅などあると思いますが、海外に行く時より滞在日数が少ないことや気軽に行けることもあり、SNSで見つけたスポットの写真を撮ったり、インスタ映えする食べ物を食べて帰っちゃう方も多いのかなと。
国内の1泊2日でも何かテーマを持つことでさらにその地域の魅力を知り、より「触れる」旅を楽しめるのではと思います。
そんな国内のおすすめテーマ旅をエリア別にご紹介します。
▷焼き物を巡るin 丹波篠山
関西で丹波篠山と言うと黒豆、牡丹鍋、お蕎麦、、、もちろん美味しいですが、それだけ食べて帰っていませんか?
実は焼き物の町でもあり、丹波焼は瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯のひとつで、平安時代末期から鎌倉時代のはじめから続いている伝統工芸品なのです。
その中でも今田(こんだ)町は歴史ある工房がちいさな町のなかに約60軒も並んでいて、"立杭焼"という焼きものを作ることで有名な場所です。
2km圏内に窯元さんがぎゅっと集まっていて、お散歩で回れちゃうというのがとっても珍しくて楽しい場所。いくつか工房を巡りましょう。
◆俊彦窯
民芸の流れをくんだ、落ち着きのある日常使いの器を5代にわたり作られてきたこちらの窯元さん。
工房をのぞかせていただくと、ちょうどお父さんの俊彦さんが作陶のまっ最中で。
これは半乾きの状態の器から、面をとり模様付けする作業。
「トンボ」と呼ばれる道具で高さを合わせ、この後焼きの行程に入るといいます。
とても自然的な発色がきれいで。
伺うと、隣町の農家さんに頼んで無農薬の餅米のもみ殻を仕入れ、焼いて灰にして釉薬に使用しているそう。
そんな釉薬もあるんだなぁ。
奥のギャラリーにお邪魔すると、息子の剛さんが造られる、また一風変わったとても繊細で柔らかい風合いの作品が。
元々、道具として作られていた立杭焼。
食器などを作り始めたのはほんの現代になってからだから、土や風合いなど「こうでなくてはいけない」という縛りがないそう。
そして、次にご案内いただいたのがこちらの窯元さん。
◆ギャラリーTANSEN
元々倉庫だった建物を改装されていて、光がたっぷり入るすてきな空間。
ここでも、丹泉釜を主導されるお父さまと、白土を使い自然を表現したような明るい作品造られる娘のちさとさんの作品が共存していて。
たまたまいらっしゃったちさとさんとお話して、また丹波焼の懐の深さを感じました。
それぞれの窯元さんがこうやってギャラリーを持ってるので、器好きにはたまらない!
「丹波立杭焼」産地の中心にある丹波伝統工芸公園・立杭「陶の郷」や工房でも電動ロクロ、手びねり、絵付け、釉薬掛けなどの陶芸体験をすることができます。
工房を回って実際に触れるのもおすすめです。
せっかくだからランチも丹波らしい素敵な器を使ったところへ。
◆農家民宿花乃家
今田町から車で30〜40分行ったところにある竹中農園さんが経営されている農家民宿花乃家さん。こちらでは2日前までの完全予約制でヴィーガンランチをいただくことができます。
広々としたダイニングの横には、せせらぐ小川が流れ心地よい風が吹きます。
素敵なテーブルセッティングでのお出迎えにそれだけで嬉しくなってしまう。
ランチはまず、竹岡農園の自家製野菜サラダから。
サンチュに人参、子どもピーマン、サラダゴボウなど旬のお野菜満載に、コモンマロウという食用のお花を載せて。
酵素風呂で天然に低温調理させた玉ねぎのドレッシングをかけて。
お野菜ひとつひとつの味が、お皿の上でそれぞれの個性を発揮してひとつのお料理になっています。
次は、水茄子とトマトの紫蘇和え。
器は丹波の雅峰窯さんのもの。素敵!
酵素風呂で火入れした玉ねぎとお芋のローストの付け合せには、自家製の黒豆味噌を。
美しいーーーーっ。そして、お野菜の旨みと甘みをダイレクトに味わえる素晴らしい調理法。
黄色いトマトとじゃが芋の冷製スープ。
シャリシャリと甘いお野菜の食感が、暑くなった喉にすっと通っていきます。
最後は、オーガニックスパイスのベジタブルカレー。
お茄子の中には、なんと自家農園の小豆が詰められていて…!!!
優しい甘さの小豆が絶妙にマッチして満足感を引き立てる。添えられた、干し梅と牛蒡、オクラ、人参の玄米ライスもさっぱりと夏味。
選べる酵素ジュースは、梅、ぶどう、トマトなどさっぱりでおいしいっ♡
酵素ジュースはこうやって…と見せてくださった本日のシェフの舞さん。
コース仕立てでいただくお料理はどれも美味しくてお腹いっぱい!
花乃家さんでは、コース仕立て菜食料理を泊まって味わえたり、米ぬかを主原料に微生物の自然発酵熱だけで温めたご自慢の酵素風呂を体験することができます。
詳しくは花乃家詳細ページで
いかがでしたでしょうか。
何度か行ったことがある方も次は違った丹波篠山を味わってみませんか。
丹波篠山の詳細はこちら
地域にはたくさんの魅力がありますので、ご紹介するのは一例です。
次回もお楽しみに♪